シバ神※をみた人を知っている。
インドで出会った人で、ヨガをしていた人だ。
40才の割にはとてもがっしりと、ピチピチとしていた。
そんな彼がぼくにいったのだ。
「僕は実は、シバをみたことがあるんだよ」と。
毎朝の瞑想中のことだった。
ふいに、発作的に駆けだして山をのぼりつづけた。
暗いうちから空が白んでくるまでのぼりつづけた。
そしてたどりついた山頂で、朝日とともに、全身青色の大男がヤリをもって立っているのをみたのだ。
破壊神らしく力強く、男性的に。
目がさめると、山の谷あいに大きな岩が挟まっていた。
どっしりと、ガツン、と。
どうやらそれのイメージが、もうろうとした頭の中で、シバを呼んだようだ。
要するに幻覚だ。
ただの。
でも僕はその話を信じる。
それがシバであったと断言する。
そしてシバをみた、と言えるその人が好きだ。
だってみえたんだもの。
他の人が見ることができなくたって見えたことには変わりない。
それが全てだ。神をみたのだ。
彼は知恵者ぶらず、聖人ぶらず、そういった。
そしてそれがただの幻覚だ、ともいった、と同時に神をみた、といった。
矛盾だらけだ。矛盾だらけのおっさんだ。
でもこんな、現実が常識として写実的に規定されるのが当たり前の世の中で、矛盾を真実として堂々と言える感覚が好きだ。
矛盾しないものなんてこの世に存在しない。
そして矛盾しないものなんてぼくは信じない。
※シバ神/ヒンドゥー教でヴィシュヌ神と並び、もっともあがめられている神。破壊、踊りの神。
シヴァ神は踊り狂っていて、
あまりに踊りに熱中しすぎて
持っていた剣で息子の首を切り落としてしまって
近くにいた象の頭を切って
息子の首の上に乗せて応急処置をした。
(息子はまだ気づいていない・・・)
・・・て世界史の授業で習いました。
シヴァ神は踊り狂っていて、
あまりに踊りに熱中しすぎて
持っていた剣で息子の首を切り落としてしまって
近くにいた象の頭を切って
息子の首の上に乗せて応急処置をした。
(息子はまだ気づいていない・・・)
・・・て世界史の授業で習いました。