サービスについてよく考える。
日本のサービスっていうのは
何であんなに機械的なんだろう。
代わりにロボット立たせときゃいいのにってたまに思う。
どうせ同じことしか言わないんだから、
人間である必要なんてない。
いつも同じ笑顔なんだから、
笑った顔のロボットにやらせればそれですむ話だ。
感情のこもっていない笑顔なんて記号と同じなんだから、
笑ってますよ、と言う記号を貼りつけたロボットでいいじゃんか。
どうせ自分の頭では何も考えられないんだから、
決まった一定のプログラムを打ち込まれたロボットが、
同じリズムで同じことを
繰り返しやってりゃあいいじゃんか。
何で腹が立つんだろう?
何でこんな不愉快な気分になるんだろう?
ニューヨークに初めて行ったとき、
立ち寄ったカフェで働いているお姉さんに衝撃を受けた。
10年ぐらい前のことになるんだけれど、
今だに鮮明にそれを覚えている。
そのお姉さんはお客に紙ナプキンをくれと頼まれて、
あろうことか人さし指をぺろりとなめて
ナプキンを一枚取り出した。
とてもびっくりした。
もしぼくが同じことをお願いして
そうやって差し出されたりしたら、
ちょっと困ってしまうだろう。
お姉さんは忙しそうに働きながら難しそうな顔をして
ぺろっとそれをつかんでお客に手渡した。
でも、渡されたお客も別に気にする風もなく、
そのナプキンでふつうに口を拭いていた。
ああ、この広い世界にはそんなサービスもあるのか、
とそのときはしみじみ思ったものだった。
しかしその後、色んな国へ行ってみると、そういうような
光景はザラにお目にかかるということに気が付いた。
特にアジアの国なんかだと、虫が入っていたり
グラスが汚れていたりなんてしょっちゅうだし、
中には料理が出てくるまでに一時間ぐらい待たされる国だってある。
でもみんな別に怒ったりしないし、
席を立ったりということもない。
ぼくもつられて、まあいいか、と思ってしまう。
お互いかなりいいかげんなのだが、
まぁ気楽にいこうぜって感じでそれはそれで悪くない。
だけど不思議なことに、
同じようなことを日本でやられると腹が立つのだ。
何でだろう?
まあ、一時間待たされたりだとか、
虫が入っていたりだとかいうのは論外としても、
ぺろっとナプキンをなめるぐらいのことは
許せたっていいではないか。
ひとつ思ったことがある。
それはその人達が楽しんで仕事をやっているかどうか、ということだ。
楽しんで仕事をしている人達のサービスには
心がこもっている。
嫌々やってる人達や、適当にやってる人達には決して真似できないことだ。
ニューヨークのカフェのお姉さんの指先をぺろりとなめる
その行為は、見ていたぼくを圧倒した。
でも嫌悪感を感じなかったのは、
彼女が楽しんで仕事をしていたからだ。
そう、彼女はとても楽しそうに仕事をしていた。
楽しんで何かをしている人というのは、
周りの人間の心も明るくする。
ぼくはだから、こだわらなければいけないのは
形式ではなくって、気持ちの持ち方なんだと思うのだ。
いつから日本の社会には心が無くなってしまったんだろう。
魂が消えてしまったんだろう。
ぼくは本物が欲しい。 本当のことが知りたい。
先日、職場の近くのめしやに行きました。
ガラスのケースから自分の好きなおかずや小鉢モンをとって
ごはんと味噌汁を別にたのむ、アレです。
私はほとんどお弁当を持ってくるので外食はめったに
しないのですが、近いし同僚がコロッケはうまい、と言うてたので
行きました。ちょうど店の前でマンションの建築中なので
他のお客さんは、現場関係のにいちゃん、おっちゃんばっかりです。
そこのおばちゃんは、ごはんを食べ終わるのを見計らって、
「コーヒーいれたげよか?」と声をかけてくれます。
(同僚によれば、若干より好みしているらしいが)で、私も
声をかけてもらい、「あ、ありがとう、いただきます」といいました。
出してくれたコーヒーは(もちろんインスタント)、昭和30年代くらいの
柄のもので、おまけにカップとソーサーがチグハグでした。
そして砂糖入れもこんなん今頃あるん?というくらいの古いデザインで、
グラニュー糖ではなく、普通の上白糖でした。
思わず、私は唸りました。「え?な?」
こじゃれた店や食べ物も好きですが、こんなことが平気でできるおばちゃん達の
味のあるのも大好きです。
次に行って天ぷら盛り合わせを頼んだんですけど、これ油古いんちゃうん?と
思うくらい、何を食べても平気な私でも夕方まで胸やけしていました。
この時もコーヒーを入れてくれましたが、カップとソーサーが一緒だったので、
ちょっとがっくりでした。
若い頃は日本を少し旅(登山)しましたが、トシをとると共に
放浪したくなり、今は家庭という枠におさまってしまっています。
(スキをうかがってはおりますが)
これからもこのページを楽しみにいています。