冷たい雨が続いたせいか肌寒さを感じるようになってきましたね。
木々の緑の葉衣が急速に赤や黄色に変化してきたのを感じます。
さて、先月の買付で今までに見たことがないほどの高品質のラピスラズリのビーズを手に入れましたのでご紹介します。
円筒型で艶出し加工をしていないこの種のビーズでこれほど美しい青をしたラピスラズリを過去9年の間で見たことがありません。
その色は高貴で気品すら感じさせます。
以前のビーズと比べるとその差は歴然です。
フェルメールの絵画に見られる発色の美しい鮮やかな青「フェルメール・ブルー」のまさにその色です。
フェルメールの用いた青はラピスラズリを精製して作られるウルトラマリンです。
ウルトラマリンとは「海を超えてきた」という意味です。
この時代、ラピスラズリはアフガニスタンでしか採れない非常に貴重なものでした。
交易によって異国の船からもたらされたいままでに見たことのない発色をした美しい青はルネッサンスの画家たちを魅了したことでしょう。
長い歳月によって多くの色が退色する中、ラピスラズリから作られたウルトラマリンは色褪せることなく、今なお絵画製作時の色を留めています。
このビーズで作るアクセサリーはこちらです。
フェルメールがこよなく愛した色をご覧ください。
ビーズはアクセサリーにする前に、面取り作業を行います。
面取りとはビーズの上下の面を平らにならす作業です。
ビーズは作られたままの状態ではよく目を凝らしてみると凹凸や斜めになっていたりしています。
これをダイヤモンドやすりをつけたルーターでひとつひとつ丁寧に削り落としていきます。
こうやって手間をひとつかけることでネックレスやブレスレットのラインが美しいカーブを描くようになります。