長く続いた暑さもようやく落ち着き、開いた窓から心地よい虫の音が夜風とともに入ってくる時期になりましたね。
修理前と修理後
気に入ったアクセサリーほど身につけている時間が長くなります。長く身につけていると、ワイヤーが伸びてきたり、引っ掛けて壊してしまう機会も多くなります。
お客様と一緒に月日を重ねて行き、いつまでもご愛用いただくためにクロマニヨンでは修理を承っています。
今日は数年ぶりにクロマニヨンに帰ってきた修理品2品をご紹介します。
1年9ヶ月ぶりの再会
2008年12月に贈り物としてご購入いただいたラピスラズリのネックレスが1年9ヶ月ぶりに戻ってきました。
贈られた方には大事にお使いいただていたとのことで、今回は3cmの縮小のご依頼でした。
久しぶりの対面ですっかり日焼けして黒々としてしていましたが、ラピスラズリの色合いは遜色なく、昔と変わらぬままでした。
修理前
修理前
修理前
ワイヤーが折れ曲がっていたので、ワイヤーを新しいものに取替え、黒化したシルバーパーツを目の細かいスチールウールで磨きます。
修理後
修理後
修理後
見違えるようにきれいさっぱりとしました!
クロマニヨンを旅立った時とほとんど変わりありません。
ステンレスワイヤーはしなやかで美しいカーブを描きますが、折れ曲がってしまうと同じ形には戻らないため、ワイヤーを取り替える必要があります。
壊れても元通り
2008年3月にご購入いただいたネックレスが壊れてしまったとのご連絡をいただき、返送していただきました。
届いてみるとストッパーが壊れてバラバラになっていました。
シルバーパーツとブラックオニキスも少しだけなくなっていました。
ストッパーの破損は修理でよくあるケースです。
小さな金属パーツで止めているため、金属疲労や引っ張られたときに外れてしまいます。
修理前
修理前
ステンレスワイヤーが小さく丸まってしまうほど折れ曲がっていましたが、黒化したフック部分を除き、間のシルバービーズは比較的黒化せずきれいな状態を保っています。きっと大事にお手入れされていたんだと思います。
黒化したフックはまず目の細かいスチールウールで研磨し、次にルーターで鏡面に仕上げます。
続いて間のシルバーパーツも黒化した部分をひとつひとつ磨いて行きます。
研磨が終わったら新しいステンレスワイヤーに入れなおして作業終了です。
修理後
修理後
修理後
すっかり元通りになりました!
新品同然です。これでまたネックレスとして活躍できます。
修理道具
修理に使う道具を2点紹介します。
修理道具
修理道具
左がフックを鏡面加工に仕上げたルーターに差し込んで使うビットです。
研磨剤が素材自体に練りこまれているため研磨剤などを付けずに使います。
輝きの鈍くなったシルバーも数分で鏡面に仕上がります。
○スリーエムラジアルブリッスルディスク/研磨砥粒入り特殊樹脂ブラシ グリーン 粗さ#6000~#8000
中央と右はスチールウールです。
右は一般にスーパーなどで売られているもので、中央のものはそれよりも目の細かいスチールウールです。拡大すると違いがわかります。
○ボンスターポンド等/超極細スチールウール#0000
拡大写真
スチールウール拡大
スーパーで売られているスチールウールは目が荒いため、やさしく撫でてもシルバーが傷だらけになってしまいますので使われる場合は要注意です。
鏡面加工に仕上げるビットも目の細かいスチールウールもホームセンターなどで手に入れられます。
スチールウールはカレン族の村でも使われていますが、彼らは他にも赤土を研磨剤として使って磨いていたりします。
カレン族シルバーの温かみのある鈍い光は自然の力を借りて作られているんですね。
カレン族アクセサリーをしばらく使っているとたまに、シルバーなのに小さく赤錆びが付いていることがあります。
たまに「赤錆びが出ました。シルバーじゃないんですか!?」とお問い合わせが来ることがあります。
これはスチールウールで磨いた時の鉄粉が酸化して錆びたもので軽く擦るとすぐに取れるので心配いりません。
シルバーはそれ自体では柔らかすぎるため銅を5%混ぜます。鉄を混ぜることはありません。
いつでもお気軽に
クロマニヨンのアクセサリーは壊れたらお終いではなく、ダメになってしまったパーツを交換し、修理を行うことで半永久的にお使いいただくことができます。
修理は1年間無料、1年目以降は作業手数料2500円を頂戴しております。
パーツに破損/欠損がある場合はパーツ費用がかかる場合があります。
上記の修理費用はどちらもパーツの欠損がなかったため修理作業手数料2500円と再送料300円となります。
修理が必要なときはいつでもお気軽にお申し付けください。
クロマニヨンの品を末永くご愛用いただくことが私たちの願いです。