下戸に多いのが甘いもの好き。ご多分にもれず、私も極度の甘いもの好きです。
1日に1回は必ず甘いものを食します。
イライラしたりストレスが貯まったときは甘いものを食べて心を安らかにします。
こわもてなせいか「飲めそうな顔なのに」(どんな顔だ!)とよく言われますが、開き直って、酒の席でも甘いものを頼みます。
旅先でもバーではなくて、甘味所を探します。
世界にはいろんな甘いおいしいものがあります。
今までに食べた忘れられない味をいくつか紹介します。
アンコールワット
カボチャプリン/カンボジア
カボチャと言えばカンボジア。
その昔、カボチャがカンボジアから日本に運ばれたためこう呼ばれるようになりました。
「カンボジア」→「カボチャ」ではえっ?と思われる人もいると思いますが、隣国のタイでは「カンボジア」を「カンプチャ」と発音します。
”ン”は小さく発音するので、これなら何となく「カボチャ」に聞こえませんか?
話は戻って、カボチャプリンはカボチャを裏ごしし、ココナッツミルクを混ぜたものを種を除いた部分に入れ固めたものです。
カンボジア、タイ、ラオスでは似たようなものが屋台で売っています。
これを冷やして氷やココナッツミルクをかけて食べると、カボチャの素朴な風味とココナッツミルクのこってりした甘みが舌の上で溶け合って絶妙な味です。
ヘラート/アフガニスタン
アイスクリーム/アフガニスタン
これは今食べたらそんなにおいしくは感じないかもしれません。
体液までもが乾燥してしまいそうな熱さと乾き、冷たいものが他にはどこにも売られていない当時のカンダハルの状況にあって、このアイスクリームの記憶は鮮明に残っています。
97年当時のカンダハルは内戦の混乱で日中は電気が来ておらず、冷たい飲み物などは皆無でした。
かろうじて発電機を回して作ったであろう氷がわずかにあるものの、40度を越す熱さではあっというまに水になってしまいます。
容赦ない日差しと逃げ場のない熱さに参り気味で、食欲もわかず、町をさまよっていたところ、奇妙な光景を目にしました。
いくつかの店先で、濃いヒゲをはやした男性たちが、腰くらいまである長細い樽のようなものを両足の間に置き、両手で樽の口部をしきりに交互に動かしているのです。
「何をやっているんだろう?」気になって聞いてみました。
男性は、私の問いかけに手を休め、ニコニコしながら、ふたをあけて中を見せてくれました。
樽の中には氷水の中に銀色の金属製の細長い容器が入っており、白い液体が入っていました。
金属容器の内側には白い液体がまるで冷蔵庫の霜のようにうっすら凍っていました。
状況から察するにどうやら原始的なアイスクリームのようです。
ミルクに砂糖を入れたものを容器に入れ、交互に回転させることで冷やされた金属壁に飛び散り凍った霜をこすり集めてアイスクリームとしているようです。
早速頼んでみることにしました。
ガラスの器に盛られた白いアイスクリームは、器が熱い大気で熱されているので、見る見る間に溶けていきます。
あわてて小さなスプーンですくって舌の上に乗せると、冷たく甘い刺激がジワーと広がっていきました。
今思えばミルクを冷やしただけの氷ミルクだったのかもしれませんが、汗すら出ないような砂漠の乾いた暑さの中で、この一瞬の清涼感は心に安らぎを与えてくれました。
思い出に残る味の一つです。