上海で素敵な方々にお会いしました。
ROUROUの石河さんのお知り合いのつてだったのですが、私もご一緒させていただきました。
サントリーが上海進出したときに「三得利」の漢字を考え、大ヒットさせたデザイン会社PAOSNETにお邪魔し、社長の王さんと副社長の張さんからお話を伺いました。
お二人はデザイナーとして、アーティストとして日本でも大変著名な方です。
王さんは、中国の伝統文化を後世に継承していこうと中国全土から集められた50人の中に5歳の時に選ばれ、それ以来ずっとデザインに関わってきたそうです。
非常に感銘を受けたのが、デザインの仕事とは別に象形文字のトンパ文字で有名なナシ族について研究されていたり、失われてしまった3000年前の中国の文字「雅体」の再現をご自分のライフワークとして続けていることです。
王さんによると3000年前の中国には「俗体」「正体」「雅体」という3種類の漢字が存在していたとのことです。
「俗体」は日常生活で使われている文字。「正体」は現在でいえば活字にあたる文字。そして「雅体」は貴族や芸術家などだけが使っていた文字で美しさを表現するための文字だそうです。
しかし、秦の始皇帝の時代、こうした貴族文化は退廃と映ったようで、焚書坑儒によって書物は焼かれ、文人たちは埋められてしまいました。
その文字を王さんから実際に見せてもらいました。
文字とおり優雅で華麗な文字でした。
現在の明朝体の漢字よりも象形文字に近く、象形化された鳥、動物などが活き活きと描かれています。
この文字を通してどんなことがやりとりされていたのか想像するのが楽しくなります。
この場でご紹介できないのがとても残念です。