秋の大連休も今日が最終日ですね。私は先週に引き続きこのエントリーを出張中のタイ首都バンコクより書いております。
1年のうち2ヶ月弱程は買付でタイにいます。仕事や暮らしに何かと便利だろうとタイ語を学ぶようになりました。
言葉がわかるようになるとタイがますます身近な国に感じるようになりました。
タイと日本は文化、習慣、考え方で似ているところが多くとても親近感を感じますが、異なる習慣などに出会うとビックリすることがあります。
タイに来て最初にビックリしたのはタイでは本名はほとんど使われず、愛称で呼ぶことです。
本名は長く重厚な響きのあるものですが、愛称はグン、ノイ、メーウ、フォンなど大体2音でとても短いものです。
本名は学校で先生が生徒を呼ぶとき、住所や申請書など公式の文書を書くときぐらいでしか使われません。
愛称は大体タイの一般的な単語で意味があります。上記の愛称はグン-海老、ノイ-ちょっと、メーウ-猫、フォン-雨の意味があります。
これらの愛称は両親や親類が名付けますが、友人間だけで使われる別の愛称を友人に名付けてもらうこともあります。
「海老ちゃん」なら日本にも蝦ちゃんがいるのでかわいらしく見えますが、中にはムー-豚とかウアン-太ったという変てこな愛称もあります。
これは特別な愛称というわけではなくごく一般的な愛称です。
女の子につけるにはちょっとどうかと思います。
タイでは精霊、悪霊、幽霊などをひっくるめてピーと呼び、怖れ敬っています。
医療技術が低かったその昔、乳幼児の死亡率が高く、子供が死ぬとこうした悪霊に魂をさらわれてしまったのだと思われていました。
そのため、子供が生まれると本当の名前を隠し、わざと動物の名前などを付けて呼ぶことで悪霊に人間の子ではないと思わせるようにしたのがこの愛称の習慣になったようです。
タイ人はこのピーの存在を深く信じ、怖れているせいか、日本では夏の風物詩のホラー映画(ナンピー/ピーの映画)が年中必ずどこでも上映されていて、ハリウッド映画よりも人気があります。
私はホラー映画がまったくダメな方なので友人に誘われると「別にピーが怖いわけじゃないんだけど・・・」と断るのにいつも一苦労しています。