タイに到着したのはもう日付が変わろうとしている深夜。
バリ行きのフライトは早朝のため、時間をつぶそうとバンコクのカオサンロードに来ました。
眠らない町カオサンロード・・・のはずがSARSの影響か閑散としていたのに驚きました。
いつもなら人で埋まっている道には数えられるほどしか見当たりません。
「タイの旅行業界も大変だ」などと考えごとしながら、薄暗い小道を歩いていると、少し野太い声をした中年のおばさんが近寄ってきました。
「レディはいらない?200Bでいいのよ」
こんなおばさんに春を売られたくないので、「No thank you」と断りました。
おばさんはそれを無視して「ビッグになっているんじゃないの」と股間に手を伸ばしてきます。
払いのけても払いのけてもしつこく迫り、今度は股間に手を伸ばすと見せかけてポケットに手を突っ込みました。
とっさに体が動き、手を掴み下に引き下げ、体を軽く反転して、おばさんがバランスを崩したところをすかさず足を払いました。
空手から離れて久しいですが、体は覚えていたようです。
ポケットに入れていた小銭が散らばり、スッテンコロリンと気持ちよくおばさんが仰向けに転がりました。
転んだ拍子に脱げたサンダルをひっつかみ、思いっきり遠くへほおり投げてやりました。
おばさんは「FUCK YOU!、FUCK YOU!」と捨てゼリフを残してサンダルを拾いに走り去りました。
最近タイに慣れきっていて、安全な日本と同じ感覚でいた気持ちを引き締めるのにちょうどよい体験でした。