2年前の話。 私は、ある町の安宿のロビーで、ここの息子と話をしていた。
彼は、へそだしホットパンツ姿の日本人女性を見たと言う。
私は驚いた。
かなりのチャレンジャーだ。
ここP国では男女関係なく犯されると、日本人男性バックパッカーでさえ襲われることを恐れ、髭をはやす人が多いというのに、(ちなみに、私はこのとき2ヶ月髭を生やしたまま、旅をしていた)その女性はいくら暑いとはいえ、犯されてもおかしくない格好をして旅をしているという。
「日本では、女はみんな、ああなのか」
と彼は聞いてくる。
「夏はね」
私の返事を、彼はうらやましそうに聞いている。
彼は、アフガニスタン人である。
国が内戦のため、家族で避難してきたらしい。
「酒は欲しくないか」
アフガニスタン人は商売熱心である。
私は、P国のバスの通らないところでもアフガニスタンの商人に会っている。
この国では好ましくないと思われている酒も、彼らはどこからか、なんでも仕入れてくる。
ビールもウイスキーも銘柄指定で、仕入れてくると言う。
「いらないよ」
私はことわった。
「じゃあ」
と彼は言う。
「P国の男を買わないか」
もちろん、一晩という意味である。
「買わないよ」
と私はことわった。
「おまえ、わかってないな」
彼は、ひとさし指を左右にふる。
「なにが」
私は聞いてみる。
「いいか」
よく聞けよ、と彼は商談を始めた。
目が商売人の目になっている。
「男というものは」
と彼は言う。
「初めは白人の女よ」
ふむふむ、と私は聞いている。
「白人の女は綺麗だし、みんな初めはあこがれをもっている」
なるほど。
私は聞いている。
「次は黒人の女だ」
彼の目は、私に話を聞かせる。
「白人の女にあきたら、次は黒人だ」
「なぜだ」
私は尋ねる。
「黒人の女は性欲がつよい」
なるほど、そんなものか。
私は感心している。
「最後にいきつくのがP国の男よ」
どうだ、と言わんばかりに彼は言う。
そこが解からない。
「なぜだ」
と私は聞いてみた。
彼は、私にP国の男を買わせる自信があるらしい。
彼自身P国の男を買っているのだろう。
こう言った。
「テクニックが違う!」
彼は思いだすように、腰を動かす。
しかし、私は買わなかった。
彼は、私を相手にしても商売にならないと思ったのか、次の日から話しかけてこなくなった。
このエッセイ読んで失礼ながら笑ってしまいました。
女のひとり旅も偏見もたれてます(笑)
荷物が少ないとなおのこと。
麻薬の運びやに思われたり、ひとり旅の男性にやたら無意味に
しつこくされたり(別にナンパとかじゃないようでしたが)、
ブランド品持ってないことをかえっていぶかしく思われたり、
レストランとかいれてもらえなかったり、ホテルもチェック
させてくれなかったり。
それもまた、旅の面白さのひとつって思うようにしてます。